私はからっぽ、“かけら”の集まり。 
だから、何者にもなれる


私にはたくさんの「欠けているもの」がある。
たぶん、本能的に、運命的に、
その隙間を埋めるように音楽や芸術や空想が、私の身体を満たしている。


天才にも狂人にもなれずにどうしても捨てられないものを引きずりながら
道の真ん中を歩けない感覚が手に取るようにわかるのに
ふらつきながらも道の真ん中を歩いて来ることができてしまった
私は中途半端。

でも、その道中で出会って集めた、そして自分の中の欠落から育った
たくさんの  “かけら(欠片)” を、私は自分の中に持っている。

だから私は、きっとたくさんの人格を、少しずつ持っている。
耳を傾ける。想像する。
自分の中の ”かけら” が共鳴するものが、この世界にはたくさんある。



自分の世界の題材を探してページをめくる漫画家のように
とある作品の中の人物の心を読み、自分の中の “かけら” と繋げて

自分の隙間を満たしている、先人たちの音楽や芸術の器を借りて

1日だけ(音楽が鳴っている時間だけ、あるいは空想の中でだけ)
私は物語の主人公(ヒーロー)になれる。

それは自分じゃない、もう一人の自分。
そして紛れもなく、それは私でしかない。



好き勝手に自由に、世界を作ればいい。
それは芸術に許されたこと。芸術を愛する、私たちの特権。
私がKingで、あなたがQueen(不真面目で、わがままな。)


この時間を、空間を、空想を似たもの同士のあなたと共有して、
また次の物語が生まれてくれたら。



about Lailiel
マリエ映茉
〜2021年3月 バンド「花散るライラ」を主催。コンセプト企画、作詞作曲、Vo.を担当。
2021年9月 音楽プロジェクト「ライリエル(Lailiel)」始動。

「懐妊を司る女性的な天使」とされている一方で、別の伝承では「男性的な天使」「悪魔的な存在」ともされるという天使「ライリエル」(またの呼び名をライラ、レリエル)より命名。

性別・善悪といった境界線を曖昧にするこの天使のように、
「音楽とそのまわりの芸術を、境界線を自由に飛び越え混ぜ合わせていく」プロジェクト。

また同時に、この世界にある不要な線引きや固定観念を壊していくプロジェクトでもありたい。

始動時のnoteはこちら

Back ground
音楽やアート好きの父から教えられた「サウンドオブミュージック」「山下達郎(とその周辺の音楽たち)」で育つ。週末よく訪れた場所はマリーローランサン美術館など。
幼少期から習っていたクラシックバレエから始まり、ミュージカルや宝塚などの舞台芸術にも触れる。
父がうつ病により家を離れる。

中学からなんとなく入部した吹奏楽部活動でoboeにハマり中学・高校と休みなく部活動にいそしむ(この時から「止まると俺死ぬから(from毛皮のマリーズ)」精神が身についたと思われる)。
全国大会に2度出場、oboeソロパートも担当。その裏でひっそり、ロックやポップスに浸る。音楽が自分を守るシェルターであり居場所であり、アイデンティティとなる。
そのまま音楽大学に進もうとするが挫折。

全てリセットするつもりで早稲田大学に進学。教育学部在籍の傍ら、クラシック以外の音楽、演劇や美術や映画などを広く浅くかじる。世界は広いと知る。そして思ったよりこの世界にはぐれものは多いと知る。2010年〜サカナクションに大きな影響を受ける。

一般企業に就職するが、音楽から離れられず、仕事と並行してバンド活動を開始。

2016年、ドレスコーズに出会う(正しくは再会する)ことにより、芸術・カルチャー全般への興味が堰を切ったように広がる。ここから演劇、映画、美術などに対する熱も深まる。

2021年秋、ソロ活動に転向。
幼少期から触れてきたクラシック音楽、舞台芸術やアートなど、自分が今まで触れてきてものを伏線回収し、何かに縛られない自由な創作をすべく、活動を開始。
自閉症の弟をきっかけにした、アール・ブリュットの要素も添えて。
photo by オオハラシンイチ